お勧めの本

GFEST受講生へ白川英樹先生お勧めの本を紹介します。ぜひ参考にしてください。

なぜと問うのはなぜだろう 常識より科学へ 5
吉田 夏彦
出版社 : 国土社
出版年 : 1977/01
対象者 : 中学生~
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人は他の動物と違って、なぜと問うのはなぜだろうか?ということを中学生にも分かり易く書いている。
現代科学と人間
湯川 秀樹
出版社 : 岩波書店
出版年 : 1961/10
対象者 : 中学生~
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二十世紀に入ってからの物理学を中心とする自然科学の急激な進歩がもたらした(人類全体にとっての)危機的な状況について、一人の科学者としてだけでなく一人の社会人として大きな関心を持ち続けてきた。
二重らせんの私 生命科学者の生まれるまで
柳澤 桂子
出版社 : 早川書房
出版年 : 1995/12
対象者 : 中学生~
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若くして素晴らしい才能を発揮して生命科学者になったが、原因不明の病気に冒されて研究を止めざるを得なかった。その後、病魔と闘いながらサイエンスライターとして、科学と人間存在について思考を深めている。
女子高校生のための生命科学の本 いのちの音が聞こえますか
柳澤 桂子
出版社 : ユック舎
出版年 : 2002/01
対象者 : 中学生~
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著者が一番語りかけたかった高校生、大学生向け、とりわけ生命を宿すことのできる女性に向けて書かれた生命科学の本。「はじめに」の終わりに、「もしあなたに赤ちゃんが生まれたら、きっとびっくりなさいますよ。子供は好奇心のかたまりです。子供の質問には一生懸命答えてあげて下さい。分からないときは子供と一緒に調べましょう。そうすれば、子供は好奇心を持つことの喜びを覚えると思います。」と読者に語りかけている一節は、女子高校生だけでなく、万人に伝えたい珠玉の言葉だ。
何でも見てやろう
小田 実
出版社 :河出書房新社
出版年 : 1961/02
対象者 : 中学生~
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「まあなんとかなるやろ」と言いながら持ち前の好奇心を発揮して出かけた無銭旅行記。彼の底知れない好奇心がどのようにして生まれたのか、科学を志す若者にも大いに参考にして欲しい。
二十歳(はたち)のころ 立花ゼミ「調べて書く」共同製作
立花 隆 他
出版社 : 新潮社
出版年 : 1998/12
対象者 : 高校生~
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立花隆が東京大学教養学部で行った「いろんな人にその人が二十歳のころを聞いてみて、人生において『二十歳のころ』が持つ意味を探ってみよう」というゼミナールの記録。
こんなに面白くて学ぶことの多かった話を、たくさんの人に聞いてほしい」という著者の思いが込められている。
自然学の提唱
今西 錦司
出版社 : 講談社
出版年 : 1984/10
対象者 : 高校生~
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現在では圧倒的に否定されてはいるが「今西進化論」や賛否両論ある「今西自然学」はこれから自然科学を志す人には学ぶべき「自然観」や「学問観」が多い。とりわけ、終わりの「リーダー論」は一読に値する。
ホーキング、宇宙を語る-ビッグバンからブラックホールまで
Stephen W. Hawking 林 一 訳
出版社 : 早川書房
出版年 : 1986/06
対象者 : 高校生~
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物質は何からできているのか?宇宙はどうやって生まれたのか?時間とは何か?数々の難問に挑み続けているホーキングが描く宇宙像の理論を一般の人にもやさしく語っている。
雑木林の小道
森 毅
出版社 : 朝日新聞社
出版年 : 1983/11
対象者 : 中学生~
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専門の数学から離れた話題を取り上げた滋味のあるエッセイ集
生命の意味論
多田 富雄
出版社 : 新潮社
出版年 : 1997/02
対象者 : 高校生~
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「生命とは何か」と言う哲学的設問を生物学的の視点から、「性」、「老化」、「死」などの諸問題を「超(スーパー)システム」として捉えて論じている。
宇宙は何でできているのか 素粒子物理学で解く宇宙の謎
村山 斉
出版社 : 幻冬舎新書
出版年 : 2010/09
対象者 : 中学生~
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現代宇宙学の最大の謎で未だ解明できていない暗黒物質、消えた反物質、暗黒エネルギーの三つを取り上げてやさしく解説している。
村山さん、宇宙はどこまで分かったんですか?
村山 斉 聞き手 高橋 真理子
出版社 : 幻冬舎新書
出版年 : 2013/04
対象者 : 中学生~
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朝日新聞編集委員の一人高橋真理子さんとの一問一答。先ずこの本を読んでから、前掲の著書に取り組むとより理解が進むだろう。
大気を変える錬金術 ハーバー・ボッシュと化学の世紀
Thomas Hager 度会 圭子 訳
出版社 : みすず書房
出版年 : 2010/05
対象者 : 中学生~
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余り実感はないが、もしハーバーとボッシュによる空気中の窒素を原料とするアンモニア合成法の発明がなかったら、現在の72億人余の食料はとても賄えなかっただろうと言われている。言うまでもなくアンモニアから合成される窒素肥料は農産品の栽培には欠かせないからである。一方、アンモニアから合成されたトリニトロトルエンをはじめとする高性能の火薬を使った武器は戦争の形態を変え、足かけ5年にわたった第一次世界大戦では900万人以上の兵士が戦死したとされている。それから100年後の現在は別の形で負の側面が現れ始めている。農地に過剰に施された窒素肥料が大気を汚染し地球規模の気候変動をもたらしているのである。発明・発見の功罪を学ぶ必読の1冊である。
科学は誰のものか 社会の側から問い直す
平川 秀幸
出版社 : NHK出版
出版年 : 2010/09
対象者 : 中学生~
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科学・技術が進歩したおかげで、世の中は便利で生活は楽になった。しかし、やっかいな問題も増えている。これらのやっかいな問題を解決するのも科学・技術の力を借りなければならない側面もあるが、その科学・技術を「誰が」、「どう舵取り」するかが問題である。著者は「科学は専門家に任せるな」として社会の側から問い直すことを提起している。科学者もそのような視点を学ぶ必要がある。
[復刊]自然の観察
日本初等理科教育研究会 企画
出版社 : 農山漁村文化協会
出版年 : 2009/03
対象者 : 中学生~
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戦後日本の理科教育は1947年に発光された「学習指導要領・理科編(試案)」に始まり、以降数回の改訂を経て現在に至っている。この試案の作成過程に、戦前に教師用として編まれた書籍「自然の観察」がかかわっていたという。子どもの関心や感性を大雪にし、子どもが自然に親しむ中でその観察を行い、科学的に考える力の育成を図ろうとするものであった。本書はその復刻版である。
レイチェル RACHEL CARSON Witness for Nature 「沈黙の春」の生涯
Linda Lear 上遠 恵子 訳
出版社 : 東京書籍
出版年 : 2002/08
対象者 : 高校生~
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カーソンの伝記。自然に対する感性がどう育まれ、自然汚染を究明しようとする使命感はどう生まれたのかを知る最適の大著。
沈黙の春
Rachel Carson 青樹 簗一 訳
出版社 : 新潮社
出版年 : 2001/06
対象者 : 高校生~
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春が来れば小鳥のさえずりで賑やかな自然が、いつしか春が来ても小鳥のさえずりが聞かれない沈黙の春、そして沈黙する自然になったことに気づいたカーソンは、その理由を知りたい想いで、孤立無援の中、いち早く無差別に散布された農薬や合成殺虫剤などの化学薬品が原因であることを知り、社会に警告を発した経緯を綴った名著。
センス・オブ・ワンダー
Rachel Carson 上遠 恵子 訳
出版社 : 新潮社
出版年 : 1996/07
対象者 : 中学生~
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前掲の「沈黙の春」を執筆中にガンを患いながら本書を書き終えたが、更に良くしようと推敲中に生命を閉じてしまった。そこで、彼女の友人たちが彼女の夢を果たすべく原稿を整えて、メイン州の林や海辺、空などの写真を入れて、彼女の死の翌年に上梓された。
カーソンの姪の息子Rogerと一緒に、メイン州の別荘周辺の自然の中で過ごした日々を描いている。
The Sense of Wonder
Rachel Carson
出版社 : Harper & Row Publisher
出版年 : 1998
対象者 : 中学生~
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前掲の原著 写真家 Nick Kelsh によるメイン州の美しい写真が随所に挿入されている。易しく書かれているので中学生でも読めるだろう。この原著を読んでから訳本を読むことを薦める。
The Periodic Table and A Missed Nobel Prize
Ulf Lagerkvist Erling Norrby 編
出版社 : World Scientific
出版年 : 2012
対象者 : 大学生~
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著者は生前、王立スウェーデン科学アカデミーの一員であり、ノーベル化学賞の選考委員会の委員を勤めたこともあり、立場上、ノーベル化学賞受賞者を決める過程をよく知っている。過去の選考で委員の間で意見が異なるのはしょっちゅうで、議論が白熱することも度々だったそうだ。よく知られている例は1906年の選考過程である。現在使われている元素周期表の基礎を考案し、化学分野で最大の貢献を果たしたメンデレーエフが、何故、受賞の栄誉にあずかれなかったのか、選考の経緯を明らかにしている。