2020年11月29日は、受講生の所属高校の先生方もお招きして、サイエンスカフェを行いました。
筑波大学生命環境科学研究科でミトコンドリアの研究を行い、博士を取得。現在は陶芸家としてご活躍中の今西泰赳さんに「焼き物と科学」についてお話していただきました。
芸術と科学のつながりについて考えることはなかなかなかったと思います。生物系で学位を取った後に芸術家となっている今西さんのキャリアも興味深かったのではないでしょうか?
今西さんは「細胞」をテーマに陶芸作品を作ってらっしゃいます。
研究者生活の中で感じていた「細胞増殖」「命の強さ」「内なる力」 などをテーマに、日本の伝統工芸である九谷焼の技法を用い つつ、研究者時代に培った科学的な知識も生かして他に類を見ない自己表現としての作品展開 を行っています
https://www.value-press.com/pressrelease/254833
どのような作品か、是非、今西さんのサイトで見てください!
■受講生の声
「陶芸について、今までは芸術的側面からしか考えたことがなかったが、科学的にみてもとても興味深い現象が起こっていることが分かった。 特に、焼いている最中に粘土に起こる様々な構造変化や、釉薬の調合などが印象に残った。また、粘土に含まれる各成分がそれぞれ効果的に働き合って、はじめて陶器が成立していることも印象に残った。」高1男子
「陶芸と化学が大きく関わっていることに驚きました。焼成の際に完全燃焼で酸化させるか不完全燃焼で還元させるかによって同じ材料からまったく異なる色の作品ができていて、化学反応が視覚的に作品に表れるのは非常に面白いと感じました。」高1女子
「これまで,陶芸家の方々が焼き物を焼く際には,経験や勘というものを頼りに焼くのだと考えていました。しかし今西先生の講義を受けて,そのイメージが崩れました。もともと化学と陶芸何らかの関係があることは,想像がつきました。土の温度の変化や成分により出来が変わるであろうことです。しかしながら,焼くときにさえ科学的知識が応用できることは,驚きました。なぜなら,前述のとおり出来は時の運であると考えたいたからです。 また,講義の中で紹介していただいた作品が美しかったです。そのため陶芸作品にも興味がわきました。自分の感性を深められるという点でも,陶芸作品を見ることで多様な考えを身に付けられる気がします。」高2男子