全体プログラム 丹羽隆介先生<2022.9.18>

2022年9月18日に筑波大学 生存ダイナミクス研究センター 生理遺伝学研究プロジェクトの丹羽隆介先生に毎年恒例となった「理科系の作文技術を磨きましょう」として、「書くこと」の重要性をお話しいただきました。

GFESTでは、全体プログラムの後は「レポート」を提出します。夏の実習のレポートは冊子にして配布もしています。これは「高校時代から人に読んでもらうための文章を書くことに慣れてほしい」からです。特に高校生の場合「自分の書きたいことを、自分だけがわかるように書いてしまう」ことが多いです。読む人にとってわかりにくい文章は、読んでもらえません。伝えたいことを伝わるように書くためにはトレーニングが必要なのです。

丹羽先生には毎年、受講生のレポートを事前にお渡しし、「よくない文章の例」としていただいています。今年も多くの受講生の文章が取り上げられました。改善点もよく分かったと思います。

後半は、「臓器連環」についてお話しいただきました。以前は、それぞれが別々の働きをしていると思われていた臓器が、緊密に影響しあっているということがわかってきています。受講生のレポートには「「臓器間のネットワーク」という新たなテーマが医学・生物学界に現れているという話は、2018年に国立上野博物館での「人体」という展示会で耳にしていた。しかし、その後約4年間の間にそのテーマに関する研究が想像を絶するスピードで進んでいるという事実には驚かされた。(高1男子)」とあるように、この分野の進歩はとても速いですね。最先端の科学研究の世界に触れられることもGFESTの楽しさです。

【受講生レポートより】

「これまでも、文章を書いた後に読み直しを行ってきた。これまでは誤字や脱字がないかを確認するために行ってきたが、誤字・脱字の確認のほかに文章の構造にも注目しながら読み直すことも大切だと実感した。自分が書いた文章が論理的に正しいかどうか、読み手を混乱させる記述がないかを確認するには、どんな文章が読みやすく、どんな文章が読みづらいのかを自分の中で明確にしておく必要がある。そのために、論文からニュース記事まで、多様なジャンルの文章を読み、どんなものがいい文章なのか考えたい。今回の講義を聞き、たった数文字で読み手の負担や読むスピードが大きく変化してしまうことが分かった。これから文章を書く際は、単語1語1語に注意していきたい。(高2女子)」

「1つの文を長くしすぎていたなと思いました。例えば「僕は特に専攻したい教科や題材はないので、本当に様々なテーマが聞けて、自分があまり研究として見ていなかった体育についてなどの話も聞けて、自分の視野の狭さを痛感しました 。」という文章です。文の途中から例を挙げていたことによるものだと思うので、そこを改善していこうと思いました。先ほどの例の改善案は「僕は特に専攻したい教科や題材はありません。そんな中、自分があまり研究として見ていなかった体育についてなど様々なテーマの話が聞いて、自分の視野の狭さを痛感しました 。」です。(高1男子)」

「自分が何を伝えたいのか方向性は定まっていないことは愚か、一つ一つの表現も稚拙であった。しかし、これをいい機会に自ら書く文章というものに真摯に向き合うことができた。また、同じミスを繰り返さないように対応策も考えることができたのはとても良かった。(高1男子)」

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