2023年2月11日に筑波大学化学類の菱田真史先生に「自己組織化の化学の美しい世界 」というタイトルで、科学とアートについてのお話をしてもらいました。先生のお話の中ででてきた「ソフトマター」という言葉は、初めて聞いた受講生がほとんどだったと思います。その名の通り「やわらかいもの」という意味ですが、ガラスや液晶もソフトマターであることには驚きましたね。また、物質は三態どころではなくてもっとたくさんの状態があることや、生命に必要不可欠な水について、まだまだわかっていないことが多いという事実も、驚きの連続でした。
菱田先生は「物理」「化学」「生物」の中間領域でご研究をされています。「考え方のしばりを作らずに、できるだけ広い視野で自然を眺めて研究する」という菱田先生のお言葉通り、分野横断的な研究が今後ますます重要になることと思います。
研究のお話の後には、先生のアート作品の美しさに魅了されました。シャボン玉本来の色の美しさ、インクが広がる時の模様のおもしろさなど、ずっと見ていても飽きないほどでした。これから研究や学習に疲れたときには、菱田先生のアート作品を見て癒されたいですね。
受講生のレポートより
「液晶が徐々に成長していく顕微鏡動画には驚嘆した。今日のCG技術は大きな成長の最中にあるが、限界があるように思える。その限りある技術をはるかに超越して、「分子構造」は存在していることに気づいた。(高1男子)」
「「物理」、「化学」、「生物」をあまり区別せずに研究を進めるというモットーがとても印象に残りました。(高2男子)」
「先生の講義を聞いて、私は水にとても興味を持ちました。生物にとって必要不可欠な水という物質はこの世界で最も有名な液体であるという一方、まだまだたくさんの謎が残っているということに、とても興味深いと思いました。(高1男子)」
「学校では物質の三態しか学んでいませんでしたが、固体と液体の間という状態があることや、液晶が動いていることを初めて知り驚きました。顕微鏡で見た液晶の画像がすごくきれいでした。(高1女子)」