SKIP★GFEST合同生物実習<2023.9.24>

筑波大学では(主に)高校生を対象とした科学人材育成プログラムGFESTと、小中学生を対象とした科学教育プログラムSKIPを実施しています。これまではそれぞれ独自のプログラムを行ってきましたが、今年初めて、合同で生物実習を行うことになりました。

実習の内容は、身近な生き物とその環境を調べるためのフィールドワーク。場所は筑波大学筑波キャンパス。さわやかな秋晴れの下、小学5年生から高校3年生までのメンバーによる12グループの “でこぼこ探検隊” が結成されました。

各グループで調査したいテーマを決めてフィールドワークを2時間行い、その内容をまとめて2時間でポスターを作成し、最後はグループ毎に発表するという、初めてにしてかなりのハードスケジュールでした。それでもやり遂げるのが、SKIP生とGFEST生です。最後は12枚のポスターに囲まれた中で、グループ毎に5分間の発表会を行いました。

実習終了後のGFEST生の何気ない一言・・・「意外と楽しかった」。

この言葉に表れているように、実習前は外で虫を捕ることや小中学生と一緒に活動することに不安を感じていたGFEST生も少なくなかったと思います。実は主催側も初めての試みに緊張していたのですが、蓋を開けてみれば、心配は無用でしたね。フィールドワーク中にみんなで一心に昆虫を追いかける様子や見つけた生き物の同定ができた時の満面の笑み、ポスター作製をする中での活発な議論など積極的に楽しむ姿を度々見ることができました。

SKIP生・GFEST生だけでなく、TAとして関わった大学生も、指導側の先生方も、みんなが楽しんで取り組めた実習になりました。また来年、 “でこぼこ探検隊” を結成しましょう!

<受講生の感想>

★虫が嫌いでしたが、屋外でみんなで昆虫採集をすることはとても楽しかったです。SKIP生とも仲良くなれました。 また、環境の違いが生物の種類や数にどのような影響を与えるのかを考え、ポスター発表をしたことは良い経験になりました。 机の上で勉強するのも楽しいですが、自分で実際に調査し、考察するのはもっと楽しい事なのだと気付かされました。(GFEST・中3)

★私は虫が苦手なので、はじめ生物実習に少し不安を感じていました。ですがこの1日を通して、虫も私たちと同じ様に生物多様性の輪に入っていて、彼らがいることにより自然が形作られてそこから人間が様々な恩恵を受けていることに気付きました。また、小5の後輩から高2の先輩まで幅広い年齢の受講生と同じ班で、学年を超えて協力し一つのものを作り上げるのが楽しかったです。(SKIP・中2)

★SKIP生がとてもアクティブで、いろいろなものに興味津々で触ったり捕まえたりしているところに刺激を受けた。また、生態系とは山全体、地域全体規模のものだと思っていたが、身近なところにも小さな生態系があることを肌で感じられた。(GFEST・高2)

★日常ではあまり高校生と活動を共にすることがないのでとても良い経験だったと思います。知り合いかどうかなど関係なくコミュニケーションを取ったり、わからないことをきちんと伝え質問できたりと私自身にとって良い刺激となりました。それぞれ得意な分野を活かしながら協力していくことが大切だと改めてわかり今後に活かしたいと思いました。(SKIP・中3)

★多様性に着目した調査だったのでシンプソンの多様度指数を教えたところ、小学生・中学生であるにも関わらず、一生懸命聞いて理解してくれたので、自分と同じような熱意がある人達と年齢など関係なく活動できて嬉しかったです。 また、その場で人々と議論できるというポスター発表の良さを実感することができました。(GFEST)

★生物多様性という言葉を私も良く使っていますが、その言葉を説明するのは難しいことだと分かりました。今回、それを体感することができました。ポスター発表を通して、同じ場所を調査しても、調査する人が変わると、テーマや考えが変わっていて、面白かったです。班でポスターを作ってみて、それぞれの得意分野を生かして作業を進めることができました。普段の研究はほとんどが一人で作業しているので、とても良い学びにつながったと思います。(SKIP・中3)

今回の実習は下記の先生方にお世話になりました。ありがとうございました!

横井 智之 先生(筑波大学保全生態学研究室

藤田 麻里 先生(筑波大学山岳科学センター

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