2021年2月21日にSTEAMプログラムを開催しました。
「世界は贈与でできている」の著者で哲学者の近内悠太先生に講演していただきました。
倫理や哲学について、高校生が学ぶ機会はほとんどありません。そのため、今回のプログラムは、「どこまで盛り上がるかな」と若干不安だったのですが、多くの質問がでて、活発に議論がかわされたことを嬉しく思います。
【受講生の声】
「とても興味深いお話ありがとうございました。「贈与は未来にあると同時に過去にある」は最初パラドックスに感じたのですが、今回のお話と本を読むことで言葉では上手く言い表せないのですが自分の中でなんとなく腑に落ちました。」
「科学の理論や社会的な動物としての人間は不合理を解決する方向に働きますが、音楽理論などの芸術分野ではあえてその理論を破ることが頻繁にあります。その不合理さ、不自然さを互いに認め合うことがコミュニケーションの合理性を保っているという解釈でよいのでしょうか?また、カミュや芥川龍之介の不合理を諦観する姿勢はコミュニケ―ションとしての芸術というメタ的な視点で見れば合理的ともとれるのかなと感じました。」
「「世界は贈与でできている」は昨年ベストセラーとして広告で知った時から読みたいと思っていたので、今回本だけでなくお話も聴けてとても嬉しかったです。自分は他人に対して何もしていないと思うときもあったのですが、贈与は「差出人」に与えられるということが本の最終章に書いてあって、とても納得しました。」