2022年3月13日に筑波大学人文社会系教授の土井隆義先生に「平坦な戦場を生きる~格差と宿命の時代~」と題して講義いただきました。
GFEST生の皆さんは「大学に行くのが当たり前」と思っている人がほとんどでしょう。そして皆さんの学校の友達も、同じように考えていると思います。でも、令和4年度の大学進学率(短大等を除く)は54.4%です。
「家庭の社会経済的背景と子供の学力の関係」については「家庭所得、父親学歴、母親学歴の三つの変数を合成した指標(=文化資本と経済資本の総量を表す指標)」であるSES(Socio-Economic Status)が高い家庭の子供ほど、学力が高いという結果がでています。https://www.mext.go.jp/content/1423048_5.pdf
SESの低い家庭の子供が長時間勉強しても、SESの高い家庭の子供の平均点を越えるのは一般に難しい状況にあることには、驚いた人も多いのではないでしょうか?「勉強すれば学力が上がる」というのは、その通りですが、家庭環境も大きく影響することがよくわかりました。
SESが高い家庭の子供と低い家庭の子供では、勉強時間にも違いがありました。高い家庭の子供の方が平均勉強時間が長かったですね。その理由は「塾に行くから」。皆さんはあまりちゃんと考えたことはないと思いますが、塾に行くにもお金がかかります。お金を出せる家庭でないと塾には行けないのです。
今回の講義では、間違った制度のままでは所得再分配をしても却って貧困率が上がってしまうことなども知りましたね。「当たり前だと思っていたことが当たり前ではなかった」ということも分かったかと思います。
皆さんが将来どんな道に進むにしても、多様な視点を持ち続けてもらいたいと思います。そして皆さんにとってのつながりの一つがGFESTであるといいなと思っています。