サイエンスカフェ 本多健太郎さん<2022.10.23>

2022年10月23日に本多健太郎さんに「本当にすごい(大変!)、生命誕生の話」というタイトルでヒトの妊娠から胎児の成長についてお話をしてもらいました。本多さんは筑波大学生物学類の出身で、日本生物学オリンピック運営委員でもあります。そして今は、日本では1000人に1人の希少種(笑)だという「男性で一年以上の育児休暇をとっている人」です。

本多さんは様々なデータや動画をみせながら、妊娠すること、そして出産することのすごさを伝えてくれました。ご自身の体験を踏まえてのお話だったので、とても分かりやすかったですね。

時代は変わっても、「ヒトとして、妊娠・出産できる年齢には限りがある」というのは事実です。妊娠する力=妊孕(にんよう)性は、30代半ばごろから低下しはじめ、40歳を過ぎるとガクンと落ち、40%以下になるのでしたね。

不妊治療の保険適用に年齢制限が設定されているのも、そうした生物学的な事情も背景にあるようです。生物学的な女性の出産適齢期は20代男性の加齢も同様に妊孕性への影響が知られています。高校生の皆さんにとっては今はまだまだ自分事として捉えることは難しい年齢かもしれませんが、大学を卒業したら22歳。大学院の修士課程で24歳、博士課程で27歳。実はそんなに先のことではないのです。

頭の片隅に、「子どもができる年齢には限りがある」ということを覚えておいて、キャリアプラン・ライフプランを考えてもらいたいと思います。

受講生のレポートより

「まずは今、自分が生きていることに感謝したいです。私の両親に感謝の言葉を言いたいです。また今日、身につけた知識を忘れているかもしれませんが、大人になってからも、このことに常に関心を持って生きていきたいです。(高1男子)」

「不妊症、不育症などの症例は、その存在は知っていてもそのような苦悩を抱えている人がどれほど多いかについては知らなかった。夫婦10組に1組など、想像を絶する割合を聞いたときは驚いた。さらに、そのような人々のために、体外受精や人工授精などの医療技術がすでに実用化され普及していることについても知らなかった。(高1男子)」

「今後の人生に関わってくる重要なことだと思いました。人生の計画に活かして行こうと思います。 素晴らしい講義を、本当にありがとうございました。(高2女子)」

「子供を産むのは限られた期間でしかできないことだと改めて強く感じた。 ライフプランに活かしたい。(高2女子」

引用リスト

  1. 厚生労働省|人口動態調査 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html
  2. (一社)日本生殖医学会|生殖医療Q&A http://www.jsrm.or.jp/public/index.html
  3. (公社)日本産科婦人科学会|登録・調査小委員会 – ARTデータブック https://www.jsog.or.jp/modules/committee/index.php?content_id=12
  4. (公社)日本産婦人科医会 |No.99 流産のすべて – 研修ノートhttps://www.jaog.or.jp/notes/note8514/
  5. (公社)日本産科婦人科学会|不妊症 https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=15
  6. 妊娠・出産の正しい知識|丘の上のお医者さん 女性と男性のクリニック https://www.okanouenooisyasan.com/knowledge/
カテゴリー: お知らせ パーマリンク