SKIP★GFEST合同サイエンスカフェ祭<2023.11.26>

2023年11月26日に「サイエンスカフェ祭」と題して、三人の講師からそれぞれ物理化学、植物病理、動画制作に関するお話しをしていただきました。SKIP(小中学生を対象とした科学教育プログラム)とGFEST(高校生を対象とした科学人材育成プログラム)が合同で開催する2回目のイベントとなりました。

最初の講演は、産業技術総合研究所の杉山順一さんによる「マイクロ波加熱-電子レンジを考える」というお話しでした。"電子レンジはどうやって物を温めているのか?”という問いに、自分なりの答えを持っていた受講生もいたようですが、杉山さんから詳しい仕組みを教えていただいたことで、目からうろこが落ちたように理解がさらに深まった様子でした。電子レンジの中の電磁波の姿を可視化できるとは驚きでしたね。実験の間、食い入るように電子レンジを見ていた受講生の姿が印象的でした。

昼食を挟んで、午後は農業・食品産業技術総合研究機構の藤川貴史さんに「植物の病気を知る ~抗原検査キットを使ってみよう~」というタイトルで植物病理学のお話しをしていただきました。農作物の病気による被害の甚大さには驚愕しましたが、だからこそ藤川さんのような”植物のお医者さん”が必要とされているんですね。植物に病気をもたらす原因の一つである植物ウイルスについて学んだあとには、抗原検査キットを使っての体験実習がありました。机の上に並んだトマトの苗を、どこが病気になっているのかと探しながら、一人ひとりがサンプル採取してウイルスの感染の有無を調べました。同じ個体でも、採取部位によって結果が異なることもあり、グループ内での議論が盛り上がりました。

最後は、現役の筑波大学大学院生でありながら映像作家もこなす鈴木一平さんに、「映像で研究を伝えよう!構成編〜よく伝わる構成と撮り方のコツ〜」についてお話しいただきました。受講生には、それぞれの個人研究や、先に行った体験実習の内容を題材として、絵コンテを使って実際に映像の構成を考えてもらいました。初めての経験にとまどう声もありましたが、鈴木さんにアドバイスをいただきながら、それぞれが絵コンテを描いてグループ内で発表し合いました。映像作りにおいて構成が重要であることがよくわかりましたね。

<受講生の感想>

★電子レンジの仕組みについては何となく聞いたことがありましたが、マイクロ波がどのように食べ物を加熱しているのか、それを均等にするためにどのような工夫がされているのか知らなかったので、大変面白かったです。(中3)

★基盤パターンで電磁誘導を起こしてマイクロ波を可視化できていて凄かった。(高1)

★健康そうな葉でも陽性がでたり、葉の先の方が陽性がでやすかったりなど、自分の予想を裏切るような実験結果が出て面白かった。また、植物の病気が実際に私たちに与えている被害も想像以上で、知らないところにこんな課題があったのかと驚いた。(高2)

★植物の病気について学ぶ今までにない機会だったのでとても興味深く、藤川先生の語り口も面白かったです。検査キットを使っての検査の仕組みも教えてくださったので、とても勉強になりました。(高1)

★人に理解してもらうための構成の組み方について、大切な絵コンテの作り方から知ることができたので、今後に活かせるようにしたい。動画を作る際は、視聴者の分からないを増やさないことを心に留めて作るようにしたい。みんなの前で発表するのは少し緊張したが、アドバイスをもらうことができてよかった。(高2)

★学校でよくプレゼンをするのですが、字をプレゼンの中に多く入れることがあり、何かを発表するときは映像として構想を組み立てることが大事だと今回の講義を聞いて感じました。大学でも発表やレポートは多く行われます。その中でもやはり、自分の考えを持つことが大事だと思います。グループで一緒になった受講生は、しっかりとした自分の目標ややりたいことがあって、とても素晴らしいと感じました。彼らに負けないように、自分も本当にやりたいことをこのGFESTの中で見つけていきたいと思います。(高2)

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